Merenda di oggi

イタリアで美術史を学びながら10数年暮らした後、2017年6月日本に完全帰国。美術のことなどを中心に、日々思うちょっとしたことを思うがままに綴っています。

2017-01-01から1年間の記事一覧

小川糸、3冊

「食堂かたつむり」に感動して、3冊続けて読んだ。「私の夢」以外はサイトをまとめたもので、かなり前のものなので、時間のギャップが有るが、面白かった。何も考えず、さくっと読めるのが良い。★★☆

食堂かたつむり、小川糸

イタリアでバンカレッラ(bancarella)賞を受賞したと今頃になって知った。そして春に見たドラマ 2冊の作者が同じだと、全然気が付かなかった。「バンカレッラ」とはイタリアで「露天」のこと。バンカレッラ賞は1952年から続く伝統的なイタリアの本屋賞。ち…

ニュルンベルクのストーブ、ウィーダ

「フランダースの犬」に収録されている「ニュルンベルクのストーブ」が読みたくて。「フランダースの犬」の原作初めて読んだ。ここまで可哀想なお話が子供むけって、どうなんだろう…号泣。片や「ニュルンベルクのストーブ」も貧乏な男の子の話だが、こちらは…

エクストラバージンの嘘と真実

オリーブオイルがちょっとブームになっているが、これを読んだら自分が口にしているものが本当に「エクストラバージン」なのか疑いたくなる。日本のスーパーで売られているようなものにまず「エクストラバージン」はないだろう。いや、イタリアのスーパーと…

窓ぎわのトットちゃん、黒柳徹子

テレビの影響で何年ぶりだろ、読み返してみた。こういう自由な小学校が有れば、もっと生きやすくなるのでは?ドラマはドラマ。かなり脚色されているのが分かった…★★☆

たゆたえども沈まず 原田マハ

「1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。彼の名は、林忠正。 その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、パリにいえる画商の弟テオドルスの家に転がり込んでいた。兄の才能…

カラヴァッジョの秘密

27日発売してすぐ読んだ。なぜなら昨日イタリア文化会館で、作者の講演会があったから。 「もし、この本が、カラヴァッジョに関する世間を騒がせるような新事実の暴露、あるいは、確たる証拠もないのに1つの作品をめぐって何十年も真筆論争を続ける研究者集…

「ゴッホ 最期の手紙」ジャパンプレミア

「ゴッホ 最期の手紙」のジャパンプレミア試写会に当選して行って来た。 特別ゲストとして、日本語吹き替え版でアルマン・ルーランをやった山田孝之とその父ジョセフ・ルーランをやったイッセー尾形、そして日本人で唯一このプロジェクトに参加した古賀陽子…

芸術新潮11月号

芸術新潮の11月号買いました。付録に北斎漫画の初編が付いてた。(^^♪「富嶽三十六景」ではなく、北斎漫画や肉筆にスポットを当てていて面白い。★★★

通訳 ディエゴ・マラー二

なんとも奇妙な小説だ。イタリア語からの翻訳ということで興味を持った。翻訳小説特有の言い回し、というよりイタリア語独特の修飾の多い文章。それなのに読みにくい感じがしないのは、訳者の技術だろう。とにかくわけが分からない、そして最後はちょっと肩…

眩(くらら)朝井まかて

NHKでドラマ化された「眩」の原作。江戸言葉なんだろう、結構言葉が難しいけど、その辺りも忠実に描いているところがすごいと思う。資料の少ない(と思われる)北斎の三女、お栄の人生をここまで細かく書いたのはすごいと思うし、北斎がずっと悩まされた孫の…

「吉原格子先之図」太田記念美術館

宮崎あおい主演のNHKドラマ「眩(くらら)」で話題の葛飾北斎の娘、葛飾応為の「吉原格子先之図」を見に、太田記念美術館へ。それまでにはなかった「影」を描きこんだ不思議な作品。10月29日まで平日なのに、閉幕間近ということで結構混んでいました。

総理の夫 原田マハ

時節柄よろしく原田マハさんの「総理の夫」を読んだ。日本初の女性総理大臣の誕生を夫の立場で見つめたフィクション。背景はまさに今の日本と同じ。莫大な負債を抱え、少子高齢化問題、原発問題などなど問題が山積みの日本。政治家は私欲の為にしか動かず、…

ボロニアハム

ボロニアハムBologna hamこれってイタリアのボローニャの事だよね?そして国産鶏肉使用?ハムなのに鶏肉?「ねじ曲げられた『イタリア料理』」にもあったけど、どうしてこういうネーミングの得たいがしれない”イタリア風”の食べ物が日本には結構あるんだろう…

ねじ曲げられた「イタリア料理」

私たちがイタリア生まれだと完全に思っていたピッツァがじつはアメリカ生まれだとか、カプチーノを流行らせたのは外国人観光客だ、とか、イタリア人でなくては知らない、いや、ほとんどのイタリア人が知らないだろうと思われる話が面白い。そして恐ろしいの…

葛飾北斎の本懐

先日NHKでやっていた「眩(くらら)~北斎の娘~」 これを見て北斎の事が気になったので読んでみた。( 2017年10月7日(土) 午後4時45分から 総合 で再放送)今でこそ日本でも北斎は大人気だが、その評価は最近までかなり低いものだった。むしろ北斎の評価は…

デトロイト美術館の奇跡、原田マハ

セザンヌつながりで思い出した原田マハの「デトロイト美術館の奇跡」2013年財政破綻したデトロイト。デトロイトの街は、1950年代ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、クライスラーの3大自動車メーカーを擁し、圧倒的な輝きを放っていた。ま…

セザンヌと過ごした時間

昨日この映画を観た。セザンヌとゾラの物語。この映画を観るまで、「近代絵画の父」とも呼ばれているセザンヌがこんなにもやんちゃで(嫌な男なんだなぁ…)不遇だったことを知らなかった。少年時代、転校生でいじめられていたゾラをセザンヌが助けたことから…

リーチ先生、原田マハ

原田マハの作品はどれも面白い。またどの本を読んでも新しい発見を与えてくれる。”日本を愛し、日本に愛された世界的陶芸家バーナード・リーチの生涯を描く感動長編!”460ページ超とかなり長い作品だが、あっという間に完読。明治時代の日本における西洋美術…

LEXUS(レクサス)のCM

www.youtube.com 最近CMが切り絵を使った新しいものに切り替わってしまったので、備忘録としてここに残しておきたい。トヨタの高級車レクサスの前のCMは、5月に行ったスロベニアのコペルの旧市街、ティト・スクエアが舞台だった。ヴェネツィアの影響を色濃く…

Heilemanのチョコレート

ドイツのお土産でチョコレートをもらいました。調べてみたら、1936年からある老舗のお菓子屋さんHeilemann(ハイレマン)のものでした。今ではドイツのデパートならほとんど扱っているという有名店、高級店だそうです。お味は、外国の甘ったるいチョコではな…

ベルギー奇想の系譜

明日まで渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで開催している「ベルギー 奇想の系譜」を駆け込みで見て来た。フランドル絵画はまだまだ日本ではメジャーではないですが、今年はブリューゲルの「バベルの塔」の来日も有って密かに人気が高まってきているらしい。閉…

フェリシーと夢のトウシューズ

昨日「フェリシーと夢のトウシューズ」を見た。先月TBSの「ふしぎ発見」で紹介されていて、ちょっと気になったもので。ストーリーは、19世紀末ブルターニュの施設で育った主人公がバレリーナになるためにパリへ出る。丁度パリではその頃エッフェル塔が建設…

消えた岩波文庫

日本に戻って来て3か月が過ぎようとしている。毎年短期間では戻っていたものの、日本に改めて腰を落ち着けてみると、色々な気付きがある。新聞を読んでいて、最近ちょっと気になるのは、「街から本屋が消えている」ということ。活字離れは私が住んでいたイタ…