Merenda di oggi

イタリアで美術史を学びながら10数年暮らした後、2017年6月日本に完全帰国。美術のことなどを中心に、日々思うちょっとしたことを思うがままに綴っています。

女の一生 二部・サチ子の場合、遠藤周作

「沈黙」「女の一生 一部」と読み進めてきたが、この3冊を読めば長崎におけるキリスト教迫害の歴史をざっと知ることが出来る。この「二部・サチ子の場合」は、隠れキリシタンというよりも、「殺すなかれ」と幼いころから教えられてきたのにのに、戦争で敵を…

フランスの美しい村を歩く、寺田直子

1982年に発足した「フランスの最も美しい村」は今やイタリアやどいつなどヨーロッパ中に広がっている。 伝統文化・史跡を数多く抱えたフランスの地方に点在する小さな村の歴史的価値の向上と保護、さらに観光地としての魅力を高め、経済の活性化を目的として…

沈黙、遠藤周作

「女の一生」の前にこちらを読んでいました。こちらの方が遠藤周作の隠れキリシタン関係の本としては有名。こちらの主人公は一人の外国人宣教師。「神」とは何か、信仰とは何か…キリスト教徒ではなくても考えさせられる。やはりこの本は傑作だ。 ★★★

女の一生 一部・キクの場合、遠藤周作

大浦天主堂のことと最後の隠れキリシタン迫害の歴史を知りたければこれ。「沈黙」よりもある意味重いかも。人間はどうして姿を見せない「神」をこれほどまでに信じることが出来るのだろうか… ★★★

長崎と天草の教会を旅して

先日新たに世界遺産に登録されたばかりの「潜伏キリシタン関連の遺跡」の一部を巡って来た。戻ってきて、もっと色々知りたくなって図書館で借りたうちの1冊。(これは読み終わったあと非常に気に入ったので購入した。)この本にもあるように、これらの遺産は…

ミトン、小川糸

暖かい。それは本の中に出てくる手作りのミトンのせいだろうか?小川糸特有の世界感あふれる文章に添えられた平澤まりこの版画によって物語の映像化を容易にしてくれる。 ★★☆

クリスマスって なあに、ディック=ブルーナ

昨日新宿駅で道を間違えたら偶然古本市に遭遇した。なにげなく見ていると、気になる本を発見。昨年残念ながらお亡くなりなったディック・ブルーナの絵本。日本では「うさこちゃん」シリーズで有名な「ミッフィ」の生みの親。こんな絵本を出していたなんて知…

スイート・ホーム、原田マハ

丘の上に立つ素敵な洋菓子屋「スイート・ホーム」を取り巻く人間たちにスポットを当てたオムニバス小説。人生には色々なことが起きるけど、どんなに疲れた時も、心を込めて作られた甘いお菓子は、乾いた心に常に栄養を与えてくれる。そんな洋菓子店に行って…

やっぱり食べに行こう。原田マハ

これ、先日読み上げた「フーテンのマハ」と内容がダブっていた。あっちを先に読んだ方がいい。いや、反対でもいいのか?う~ん、面白いことは面白い。でも2冊にする必要有るんだろうか…書籍代、バカにならないんですけどね。 ★★☆

フーテンのマハ、原田マハ

「とにかく旅が好き!」という原田マハの取材旅行エッセイ。これを読んで、旅に出たいと思わない人は少ないのでは?★★☆

「本をつくる」という仕事

一冊の本が出来るにあたり、どれだけの人の手が、どれだけのスペシャリストの手がかかっているか、なんてことは考えたことがなかった。活字をつくる人製本マイスター今は数少なくなった活版印刷の達人校閲者紙職人より美しい本に仕上げる装幀のプロ世界の本…

星明りの村

フランス・ロマネスク聖堂紀行ということで楽しみに読んだ。専門家ではない作者は、聖堂について詳しいことを語らないし、写真すらない。(個人的にはせめて写真くらいは載せて欲しいと思うのだが…)だからなのか、作者の旅路が容易に想像できる。普段一人旅…

オリジン ダン・ブラウン

オリジン 上 作者: ダン・ブラウン,越前敏弥 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/02/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る オリジン 下 作者: ダン・ブラウン,越前敏弥 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/02/28 メディア: 単行本 この…

プーリアの太陽

プーリアの太陽 南イタリアで叶えた夢 作者: 濱田幸子 出版社/メーカー: 文芸社 発売日: 2017/12/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 20年前、今だって不便な南イタリアの片田舎の星付きレストランに単身乗り込み修行した経…

小川糸、3冊

「食堂かたつむり」に感動して、3冊続けて読んだ。「私の夢」以外はサイトをまとめたもので、かなり前のものなので、時間のギャップが有るが、面白かった。何も考えず、さくっと読めるのが良い。★★☆

食堂かたつむり、小川糸

イタリアでバンカレッラ(bancarella)賞を受賞したと今頃になって知った。そして春に見たドラマ 2冊の作者が同じだと、全然気が付かなかった。「バンカレッラ」とはイタリアで「露天」のこと。バンカレッラ賞は1952年から続く伝統的なイタリアの本屋賞。ち…

ニュルンベルクのストーブ、ウィーダ

「フランダースの犬」に収録されている「ニュルンベルクのストーブ」が読みたくて。「フランダースの犬」の原作初めて読んだ。ここまで可哀想なお話が子供むけって、どうなんだろう…号泣。片や「ニュルンベルクのストーブ」も貧乏な男の子の話だが、こちらは…

エクストラバージンの嘘と真実

オリーブオイルがちょっとブームになっているが、これを読んだら自分が口にしているものが本当に「エクストラバージン」なのか疑いたくなる。日本のスーパーで売られているようなものにまず「エクストラバージン」はないだろう。いや、イタリアのスーパーと…

窓ぎわのトットちゃん、黒柳徹子

テレビの影響で何年ぶりだろ、読み返してみた。こういう自由な小学校が有れば、もっと生きやすくなるのでは?ドラマはドラマ。かなり脚色されているのが分かった…★★☆

たゆたえども沈まず 原田マハ

「1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。彼の名は、林忠正。 その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、パリにいえる画商の弟テオドルスの家に転がり込んでいた。兄の才能…

カラヴァッジョの秘密

27日発売してすぐ読んだ。なぜなら昨日イタリア文化会館で、作者の講演会があったから。 「もし、この本が、カラヴァッジョに関する世間を騒がせるような新事実の暴露、あるいは、確たる証拠もないのに1つの作品をめぐって何十年も真筆論争を続ける研究者集…

総理の夫 原田マハ

時節柄よろしく原田マハさんの「総理の夫」を読んだ。日本初の女性総理大臣の誕生を夫の立場で見つめたフィクション。背景はまさに今の日本と同じ。莫大な負債を抱え、少子高齢化問題、原発問題などなど問題が山積みの日本。政治家は私欲の為にしか動かず、…

ねじ曲げられた「イタリア料理」

私たちがイタリア生まれだと完全に思っていたピッツァがじつはアメリカ生まれだとか、カプチーノを流行らせたのは外国人観光客だ、とか、イタリア人でなくては知らない、いや、ほとんどのイタリア人が知らないだろうと思われる話が面白い。そして恐ろしいの…

葛飾北斎の本懐

先日NHKでやっていた「眩(くらら)~北斎の娘~」 これを見て北斎の事が気になったので読んでみた。( 2017年10月7日(土) 午後4時45分から 総合 で再放送)今でこそ日本でも北斎は大人気だが、その評価は最近までかなり低いものだった。むしろ北斎の評価は…

リーチ先生、原田マハ

原田マハの作品はどれも面白い。またどの本を読んでも新しい発見を与えてくれる。”日本を愛し、日本に愛された世界的陶芸家バーナード・リーチの生涯を描く感動長編!”460ページ超とかなり長い作品だが、あっという間に完読。明治時代の日本における西洋美術…