Merenda di oggi

イタリアで美術史を学びながら10数年暮らした後、2017年6月日本に完全帰国。美術のことなどを中心に、日々思うちょっとしたことを思うがままに綴っています。

女の一生 二部・サチ子の場合、遠藤周作

女の一生〈2部〉サチ子の場合 (新潮文庫)
「沈黙」「女の一生 一部」と読み進めてきたが、この3冊を読めば長崎におけるキリスト教迫害の歴史をざっと知ることが出来る。
この「二部・サチ子の場合」は、隠れキリシタンというよりも、「殺すなかれ」と幼いころから教えられてきたのにのに、戦争で敵を殺さなくてはいけないことに疑問を感じる青年の葛藤や、愛のために自らを犠牲にする神父の登場で、神とは、キリスト教とは、そして戦争とは、ということを深く掘り下げている。
過去から連綿とつながる血、長崎という一本の糸で結ばれた国を違えた人々。
日本には、いや世界はこういう歴史を歩んで来たことを、私たちは知るべきだ。

 

★★★