Merenda di oggi

イタリアで美術史を学びながら10数年暮らした後、2017年6月日本に完全帰国。美術のことなどを中心に、日々思うちょっとしたことを思うがままに綴っています。

総理の夫 原田マハ

総理の夫 First Gentleman (実業之日本社文庫)

時節柄よろしく原田マハさんの「総理の夫」を読んだ。
日本初の女性総理大臣の誕生を夫の立場で見つめたフィクション。
背景はまさに今の日本と同じ。
莫大な負債を抱え、少子高齢化問題、原発問題などなど問題が山積みの日本。
政治家は私欲の為にしか動かず、与党が長年政治を牛耳っている。
そこへ誕生した日本初の女性総理大臣は、国民に寄り添い、日本の未来のために消費税アップするなど、今までの男性総理大臣がなしえなかったことをやっていく。
全ては未来の日本のために。

いやはや、原田マハさんの美術系の小説が好きで読み始めたが、最初はそれらほどスピード感もドキドキもないなぁ、と思っていたのだが、「第2次相馬内閣」が発足された辺りから一気にのめりこんだ。
最後の書き方がちょっと物足りない気がするけど、やはり面白い。

この時期にこの本を読むとますます現実と比べてしまいがっかりする。
もし小池さんが日本人初の総理大臣になったとしてもこうはいかないだろう。
小説は小説だ。
でももしこんな人物が現れたら、と思わずにはいられない。

小説は面白い。

ただ安倍総理の妻のあとがき…
ここ数年のごたごたが起きる前の事ですから仕方がないですけど、違和感有りあり。

★★☆