Merenda di oggi

イタリアで美術史を学びながら10数年暮らした後、2017年6月日本に完全帰国。美術のことなどを中心に、日々思うちょっとしたことを思うがままに綴っています。

スイート・ホーム、原田マハ

スイート・ホーム
丘の上に立つ素敵な洋菓子屋「スイート・ホーム」を取り巻く人間たちにスポットを当てたオムニバス小説。
人生には色々なことが起きるけど、どんなに疲れた時も、心を込めて作られた甘いお菓子は、乾いた心に常に栄養を与えてくれる。そんな洋菓子店に行ってみたくなる。お菓子はわき役。でもどのお話にもなくてはならないアイテム。

原田マハの世界観が充満した一冊。
本を読んだら、甘いケーキが食べたくなること必須。

やっぱり食べに行こう。原田マハ

やっぱり食べに行こう
これ、先日読み上げた「フーテンのマハ」と内容がダブっていた。
あっちを先に読んだ方がいい。いや、反対でもいいのか?
う~ん、面白いことは面白い。でも2冊にする必要有るんだろうか…
書籍代、バカにならないんですけどね。

★★☆

「本をつくる」という仕事

「本をつくる」という仕事 (単行本)
一冊の本が出来るにあたり、どれだけの人の手が、どれだけのスペシャリストの手がかかっているか、なんてことは考えたことがなかった。

活字をつくる人
製本マイスター
今は数少なくなった活版印刷の達人
校閲
紙職人
より美しい本に仕上げる装幀のプロ
世界の本を紹介、日本との橋渡しをする仲介人
そして子どもへの物語を綴る作家

どの人にも共通するのは本への愛。
そんな愛情の詰まった一冊でした。
★★★

星明りの村

星明りの村――フランス・ロマネスク聖堂紀行
フランス・ロマネスク聖堂紀行ということで楽しみに読んだ。
専門家ではない作者は、聖堂について詳しいことを語らないし、写真すらない。(個人的にはせめて写真くらいは載せて欲しいと思うのだが…)
だからなのか、作者の旅路が容易に想像できる。
普段一人旅が多い私には、特に状況や気持ちがよくわかる。
(ただし私は同胞を見かけても滅多に声をかけないが)
この旅をしていたころは、今ほどインターネットが発達していなかったと見えて、苦労しているなぁ、と。いや、今でもヨーロッパの田舎への旅路は、ネットでは網羅できない。是非、「ロマネスク88か所巡り」を制覇して本にしていただきたいのだが…
★★

オリジン ダン・ブラウン

 

オリジン 上

オリジン 上

 

 

オリジン 下

オリジン 下

 

 ”ロバート・ラングドン・シリーズの第5作『オリジン』は、これまでにも増してスピード感と知的興奮に満ちた作品であり、あらためてダン・ブラウンの圧倒的な技量を思い知らされた。”と訳者があとがきで書いているように、スピード感、すごかったです。
前作がいや~な雰囲気で終わったのに比べて、今回は少しだけ光の見えた未来的展望と共にエンドを迎えました。

舞台は満を持してのスペイン。
毎日のように話題に上っているAI問題などやはり社会問題に大きく切り込みながらも、あちこちに散りばめられた芸術に対する言及など飽きさせない場面展開であっという間に上下巻読み切ってしまいました。

★★★

 

プーリアの太陽

 

プーリアの太陽 南イタリアで叶えた夢

プーリアの太陽 南イタリアで叶えた夢

 

 20年前、今だって不便な南イタリアの片田舎の星付きレストランに単身乗り込み修行した経験を綴った一冊。
留学体験記にしてはがっつり読みごたえがあり、当時のイタリアを想像すると、彼女の苦労が痛いほどわかります。
そしてイタリアがまだとってもイタリアらしかった時代の生き生きした光景が描かれていてとても面白いです。
一章ごとの終わりに挿入された手書きの食にかかわる豆知識はイラストもかわいく、ためになります。
★★